親族との話し合いが重要!改葬(墓じまい)の正しい手順と手続き、費用について

「実家に先祖代々のお墓があるけど、遠くてめったに墓参りに行けない」
「お墓をもっと便利な場所に移したいけど、どうしたらいいんだろう」

そのような理由から、お墓を引っ越す「改葬(かいそう)」する人が最近増えています。(引っ越す際、現在のお墓を使わなくなることから、「墓じまい」ともいわれます)
ただ、改葬をしたことがある人はそこまで多くないため、どんな手順で進めたらよいのかわからないという人も多いはず。

そこで、この記事では改葬の手順や手続き、改葬にかかる費用についてお伝えします。

改葬(墓じまい)をスムーズに進めるための手順

あなたが改葬(墓じまい)を考えているなら、しっかりと話をしておくべき関係者は、親族と現在のお墓がある寺院や霊園です。
これらの関係者と話し合いをしながら、以下のような手順で改葬(墓じまい)を進めていきましょう。

    1. 1.親族との話し合い
    2. 2.次の埋葬とお墓を決定
    3. 3.現在の墓地管理者と相談
    4. 4.改葬に必要な書類作成と手続き
    5. 5.閉眼法要(へいげんほうよう)
    6. 6.遺骨の安置
    7. 7.開眼法要(かいげんほうよう)、納骨

手順に沿って、説明していきます。

1.親族との話し合い

改葬を考え始めたら、新しいお墓を決定する前に、必ず親族と相談しましょう。先祖代々のお墓の場合は、親族にとって縁が深い人が埋葬されていますので、勝手に決めてしまうと、後々しこりを残す可能性があります。親族との話し合いの際は、以下のようなことを話しましょう。

・改葬したい理由の説明
お墓参りがなかなかできない、承継者がいない、など改葬したい理由を説明し、理解してもらいましょう。

・改葬先での埋葬方法
家族墓にするか、永代供養にするか、など埋葬方法の検討が必要です。
お墓の種類や費用の相場は、「お墓や供養の種類は全部で9種類!後悔しないお墓選びのポイント」の記事でくわしく説明していますので、確認してくださいね。

・引っ越し先の種類や立地
お墓には、寺院墓地、民間霊園、公営墓地などの選択肢があります。
立地は、お墓参りに行きやすい場所に決めるとよいでしょう。

・誰の遺骨を引っ越すか
先祖代々の遺骨がある場合は、改葬する対象をすべての遺骨にするか、一部の遺骨にするか決める必要があります。

2.次の埋葬とお墓を決定

親族との話し合いを終えたら、希望するお墓の埋葬方法や種類などから、候補となる墓地や霊園を決めましょう。具体的には、新聞広告やインターネットで検索するなどして、候補を探します。
候補を絞ったら、必ず見学に行き、以下のポイントをチェックするようにしてください。

・交通のアクセス

・宗旨・宗派などの条件はあるか

・設備は充実しているか

・住職やスタッフなどの印象

見学時のポイントは、「お墓や供養の種類は全部で9種類!後悔しないお墓選びのポイント」の記事でくわしく紹介していますので、確認してくださいね。

3.現在の墓地管理者と相談

改葬先のお墓を探すのと同時並行で、改葬を考えていることを、現在の墓地の管理者に話しておきましょう。まずは電話で連絡をして、面会の約束をした上で、後日面会に行きます。面会の場では、改葬する理由やこれまでのお礼を伝えましょう。墓地を移すと檀家をやめることになりますので、これまでの供養のお礼(10万円~20万円ほどが相場)を渡すのがマナーです。

4.改葬に必要な書類作成と手続き

お墓は、勝手に引っ越しをすることができません。改葬をする際は、法律に基づいて以下のような手続きが必要です。

1.改葬先のお墓の管理者から書類を発行してもらう

改葬先の墓地の管理者から、以下いずれかの書類を発行してもらいます。(墓地の種類などにより、名称が違います)

  • ・墓地使用許可証
  • ・受入証明書
  • ・永代使用許可証

2.現在のお墓がある市区町村役場で、書類を入手する

現在のお墓がある市区町村役所で、「改葬許可申請書」を入手してください。(各役所のホームページからダウンロードすることもできます)
書類を入手したら、必要事項を記入します。改葬許可申請書は、基本的に引っ越しする遺骨1体につき1枚ずつ必要です。自治体によっては複数体の申請が一緒にできる場合があるので、問い合わせをしてみましょう。

3.現在のお墓の管理者に署名、捺印してもらう

「改葬許可申請書」の所定の欄に、現在のお墓の管理者に署名、捺印をしてもらいましょう。署名・捺印をしてもらうと、「改葬許可申請書」が「埋蔵証明書」になります。(納骨堂などの安置型の場合は「収蔵証明書」となります)

4.現在のお墓がある市区町村役場に書類を提出

上記の1と3で入手した書類を、現在のお墓がある市区町村役場に提出し、「改葬許可証」を発行してもらいます。(改葬許可証の発行に必要な書類は、自治体により違う場合がありますので、必ず現在のお墓がある市区町村役場で確認しておきましょう)

5.遺骨を取り出す

改葬許可証」を墓地管理者に提示して、遺骨を取り出します。

6.改葬先に遺骨を移す

「改葬許可証」と1の手続きで入手した書類を新しい墓地の管理者にわたし、遺骨を埋葬します。

以上が手続きの流れです。

墓地使用者と申請者が異なる場合は、役所から委任状を求められることもあります。必要な書類について、事前に役所に問い合わせておくと、手続きがスムーズです。

5.閉眼法要(へいげんほうよう)

お墓から遺骨を取り出し、墓じまいをする際は、「閉眼法要(へいげんほうよう)」を行うケースがあります。閉眼法要とは、墓石に宿った仏の魂を抜くために、僧侶が読経を行う儀式のこと。
寺院などでは行われることが多いですが、民間霊園などでは行われないケースが多いです。閉眼法要の実施は、義務づけられていないので、あなたの選択次第です。
また、使用した土地は更地に戻した返す必要があります。墓地によっては指定業者がいる場合もあるので、管理者に確認しましょう。

6.遺骨の安置

現在のお墓から遺骨を取り出したら、納骨の日まで自宅に安置しておきます。安置しておく場所の決まりはありませんが、丁寧に扱いましょう。
遺骨の持ち運びは車で行う人が多いですが、もし公共の交通機関で遺骨を運ぶ場合は、骨壺を風呂敷で包んだり、カバンに入れたりして、周囲に配慮しましょう。もし、持ち運びが難しい場合は、郵便局で取り扱っている「ゆうパック」でなら、郵送することが可能です。
また、土葬の遺骨がある場合は、遺骨を焼骨にする必要がありますので、「火葬許可証」の手続きも必要です。土葬の遺骨を火葬にする作業は、専門に行う会社がありますので、依頼するといいでしょう。

7.開眼法要(かいげんほうよう)、納骨

「開眼法要(かいげんほうよう)」は、墓石に仏の魂を宿すために、僧侶が読経を行う儀式のことです。閉眼法要と同じく、閉眼法要を行うかどうかは個人の選択次第です。その後、改葬先の墓地に遺骨を埋葬します。

ここまで、改葬の流れについて説明しました。
手順がわかると気になるのは、改葬の費用です。

改葬(墓じまい)の費用

改葬にかかる主な費用は、以下の通りです。

●現在のお墓にかかる費用

  • ・遺骨を取り出す費用
    石材店などに依頼して、支払います
  • ・撤去工事費
    お墓があった場所を更地に戻す費用です
  • ・離檀料(りだんりょう)
    寺院墓地の場合は、これまでの供養のお礼を支払います

●改葬先のお墓にかかる費用

  • ・永代使用料や墓石などの費用

合計すると、数十万円~数百万円の費用がかかります。それぞれの費用は墓地によって違いますので、確認しておきましょう。また、改葬先のお墓が、永代供養墓や樹林霊園などの場合は、永代使用料や墓石などの費用がかからないので、費用を抑えることができます。

親族としっかり相談して、後悔のない改葬をしましょう

改葬には、親族や現在の墓地の管理者など、多くの関係者がいます。親族とはしっかり話し合いをして、トラブルにならないよう改葬を進めてくださいね。

長昌山 立源寺/自由が丘 樹林霊園パドマ

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